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【小話】さえざえとした夜4【更新】

【さえざえとした夜 4】 (3はこちら

目指すは上の階だ。
はちの記憶が蘇る。
鹿々苑百貨店には、エレベータホールから離れた場所に、非常時用の階段があったはずだ、と。
左右の足が交互に地を蹴り、体を前方に押し出す。軽やかな足取りで、はちは思う。

夢というのは、無茶をするにはとても適している。
そして、こうも思う。
夢にしちゃ、やけに頭が冴えている、と。

非常用の扉を押しやると、一層暗い階段室が、彼らを出迎えた。

3階へ着いたとき、はちの体に異変が生じた。まず、右足が稼働をやめた。棒と化し、関節が曲がらなくなった。続いて、右腕、そして腰がほぼ同時に強張り、金縛りにあったかのように止まった。悲鳴を上げるというよりも、沈黙を始めた、との表現が近い。

「ちょ、ちょっと待ってくれ。」

腰を押さえつつ、その場でゆっくりと膝を折るはちに、

「トイレに行きたいです。」

しろは、眼前のフロアガイドを指さした。リュックサックをはちに押し付け、

「すぐに戻りますから!」

と、暗い通路を走って行ってしまった。手を伸ばす彼の事など、見向きもしなかった。

それから、すぐのこと。たった一人、身体を床に横たえていたはちの傍ら、しろへの目印代わりに天井を照らしていた懐中電灯の明かりが、不規則に点滅し始めた。光は弱々しくなり、ついに、うんともすんとも言わなくなった。辺りは、純度の高い暗闇に閉ざされた。針の一つ落ちる音のない、完全な静寂に、はちは両耳がのど奥に落ちてくる感覚に見舞われた。

そういえばと、はちは思い出す。

夏頃、この店のトイレに寄ったときの事だ。ドアがなくなり、トイレの個室にしては広すぎる空間に閉じこめられた。結果的に、空間を裂くことで事無きを得たのであったが、はちは身震いする。心細さを緩和するため、寝転がったままリュックをひっくり返し、替えの電池を探す。これは黒蝶堂を出立する前、未来が見えると仰る少女・ゆりに持たされた鞄だ。もしかしたら、この状況を打開する道具が入っているかもしれない。淡い期待がないわけではなかった。
しかし、探せど探せど、電池の予備は見当たらない。代わりに、サンドイッチの敷き詰められた容器が転がり出た。包みを開いたときに浮き上がる卵の匂いが、数時間前、機嫌良くゆで卵をすり潰すしろの姿を彷彿とさせる。腰を気にかけながら姿勢を変え、一口ほおばる。もう一口。流れに乗って、さらに一口、咀嚼を繰り返すはちに、

「一つよこせ。」

耳元で囁く者があった。はちは床より、3センチは飛び上がった。身を伏せ、草食動物のように様子を窺うが、声の主の姿はない。

「なにが知りたいの、うちの?」

線の細い声だけが、耳にまとわりつく。幻聴ではないようだ。

「おかしい事は、なんにもないよ。音楽が聞こえるなんて、疲れのせいだよ。君たちの所にもいるでしょ?」

「・・・ゆりを知ってるのか?」

はちは声へと問いかける。雲が晴れたのか、窓から差し込む月光がある。照射地点にあるのは、壁に掛けられた風景画だ。この階には複数の絵画や骨董品、美術品の専門店がしのぎを削っている。幼い声は、弾むように堂長へ迫る。

「ご友人だよ。王女の大切な。」

「・・・王女?」

透き通り、消え入りそうな声だが、輪郭を保ち、しっかりと届いてくる。

「なにもなかったってことで、帰ってもらえないかな?」

僕は、君たちと争いたくないんだよ。声は友好的であるが、発信源の表情は見えない。

「・・・なにもかもありすぎるだろ、ここは。」

はちは突っ込まざるを得ない。得体の知れない存在と話す事に、恐れは麻痺していたが、気が疲れていた。ふと、しろの様子が気になった。彼が消えて、もうだいぶ経つ。自分が心配するような事は無いだろうが、もしかしたら彼によって迷惑を被っている奴がいるかもしれない。そうなったら厄介だ。そう思った瞬間、はるか遠くから自分を呼ぶ声が聞こえた。幻聴だと指摘されれば、そうかもしれない。だが、聞こえてしまったものは仕方がない。リュックサックを再度漁ると、なんと、先ほどは見つけ切れなかった、電灯付きのヘルメットがあった。こんな大きなものを、どうしたら見落とせるのだろうかと、自分で自分が不思議に思える。被ると同時、電灯が点った。リュックの紐を肩に掛け、声の方へと走り出す。

足腰に気を配って走り去った彼を、声だけが追いかける。

「準備がいいね、堂長。だけど、普通の人の眼じゃこの闇は払えないよ。」

“壁に掛けられた”子どもは、手を3次元に伸ばす。サンドイッチを手に取ると、食事を始めた。残されたのは、食事を楽しむ、無邪気な子どもの構図だけとなった。

追いかけてくる声を聞いていたのかどうか、はちは迷っていた。頻繁に訪れるわけではないデパートだが、だいたいの順路は把握している。ブランドの社名は知らないが、どこを曲がれば洗面室か位は見当がつく。なのに、辿り着かない。間違いないと感じた道は、同じ景色に繋がり、同じ場所に戻ってきてしまう。人物画の並びに、置かれたレプリカの観葉植物、右前方へ湾曲する通路と交差するエスカレータへ続く道は、先ほど、どちらの方面へも通ったはずだ。
はちは頭が痛くなる。ヘルメットの光が、ゆらゆらと揺れる。今度はどちらを選ぶべきなのか。声はすでに途切れており、あてにはならない。百貨店内において遭難してしまったはちは、肌寒いフロアにたった一人でうずくまる。
なぜ迷っているのか、なにを迷っているのか、どうしてここにいるのか、ぎりぎりと締め付けてくる頭痛が視野も思考も狭めていく。疑問が次々と湧き出でて、喉が渇き、息苦しい。ゴールはどこなのか、そもそもゴールなんぞあるのか、似たような景色の中で、さまよい続ける苦しみに、頭が割れそうであった。

突如として鳴り響く警報音のけたたましさと、冷たい感覚に苛まれた時、はちはすでに濡れていた。泣いていた、のではない。位置が悪かった。スプリンクラーの真下に立ち尽くしていた。我に返った頃には、顔から足先まで、びしょ濡れであった。数メートル先にも、同様のスプリンクラーが作動している。そこから霧状に大量の水が噴き出でている。ぼうと見ていると、その水滴は地に着く頃には少年の形となり、形作られた長靴ができあがったばかりの体を支える。赤と青のゴーグルの両目がはちを捉え、

「ななな、なんでここに?」

わなわなと震える指先を、はちへ向けた。
数年来の親友に偶然再会した時でさえ、出会い頭に人と衝突しそうになった時でさえ、これ以上の動揺は、されないだろう。意表を突かれたはちは、かえって冷静さを取り戻した。

「・・・てめぇこそ、なんでここにいるんだ?」

彼は唇を尖らせ答える。

「僕は隊長を探しているだけだ。においでわかるだろ?」

「・・・におい?」

煙草のか?体臭か?少年・カコは違うと首を振り、

「迷ってるほど、人生永くないと思うけど。」

小さく言い捨て、長靴を右へ向けた。キュッキュッと、靴底が床をしっかりと掴む。音が止まったとき、カコは堂長の上のスプリンクラーを見上げて、指を回した。蛇口をひねるように、降水が止まった。そのまま歩き出す彼の後を、はちは追った。彼の探し者に遭うのは・・・もとい、会うのは気が進まなかったが、それがこの迷路を抜ける唯一の方法であるならば背に腹は代えられないと、髪の毛を絞った。
道は一本道であった。選択肢も無く彼の後について行くしかなかったはちは、拍子抜けした。なにを迷っていたのか分からない程に、カコは鼻をひくつかせ、あっさりと目的地に到達した。
ここのスプリンクラーは、まだ作動していた。カコが指を回すと、最後の雨は完全に上がった。彼らは、洗面室の入り口、屋根のある休憩用のソファに腰掛けていた。はちの探し人は、はちの姿を認めると

「遅かったですね。」

手をひらひらと振って、首を傾げた。

「どうしてそんなにびしょ濡れなんですか?ハンカチを持ってないのですか?」

「・・・それは隣の奴に理由があるだろ」

はちの指摘に、スプリンクラーを作動させた原因を指に挟んだ男は、黒い煙を吐いた。

「”奴”とはとんだ挨拶だな、堂長。」

はちの背後の壁から細い煙が昇っていた。小さな穴には、銃弾のようなものがめり込んでいる、ようにも見えるが、いかんせん暗くてよく見えないから違うに決まっている。破裂音と閃光に、耳も目も塞げなかったはちは、彼の持つ物はピストルではないし、鉄砲であるはずがないと心に言い聞かせた。よく見えないのだから、判断できるわけがないと意思を強く持つ。

「・・・喫煙室が近くにあると思うんだがな」

と、足の指で地を掴んだ。

「そこから上に行ける。覚悟があるなら、先に行くんだなっ!」

カコの探し者である鬼桐は、黒い手袋の親指を突き出した。そこには上階に繋がるエスカレータがある。くわえ煙草をそのままに、黒い煙を吐き出しながら、彼はカコを伴い、来た道へと溶けていった。


【続】
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テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

【小話】さえざえとした夜3【更新】

【さえざえとした夜 3】(2はこちら

「地下に着いたみたいですね。」

臆することなく、フロアに足を踏み出すしろの後ろを、はちは追いすがる。
そこは1階と同じく、暗い世界が広がっており、カバーの掛けられた菓子屋のショーケースや土産屋の看板の輪郭が、ぼんやりと浮かび上がっている。

「宝箱はどこですかね?」

歌うしろの隣に、はちは腰をさすりさすり追いついた。暗闇にもずいぶん目が慣れてきたはちが目を凝らした時、

「泥棒なら容赦しない!」

突如、彼らを呼びとめる声が現れた。懐中電灯で声の方角を照らす。

「眩しい!やめろ、やめろ!」

はちは光を地に落とす。咄嗟に顔を伏せた声は、1階の狂気の子どもだ。警備員の制服ではなく、コートを羽織り、首周りをチェック模様のマフラーで巻き、タイトなパンツに編み上げのブーツを履いているのが、足元の非常灯の光に浮かび上がる。はちはぞっとした。先ほどの襲撃を思い出したから、だけではない。背中から上ってくる寒気に体温を奪われていたからだ。ひどく冷たい風が吹き荒ぶ。子どもは指を振る。

「服を脱ぎ、奪った物を床に並べ、王女に祈れ。命だけは助けてやる!」

言い終えると、辺り一面は灰色の雲で覆われていた。急激に体温が奪われていく。室内であるのに、ちらちらと、雪が舞い散っている。店の備品や壁のポスターや置物、休憩用のイスやらの端々に、薄い氷が張り始めている。足先から足首が凍りつき、床に磔にされ、あっという間に身動きがとれなくなった。

「はち、眠ってはダメですよ!」

しろの声が遠くに聞こえる。

――眠ってねぇよ眠りてぇけどよ。

手放しそうになる意識は、これが現実であることを認めていないようだ。朦朧としている彼は、背中に熱いなにかを感じた。はっと意識を取り戻し、周囲の様子を窺う。辺りは猛吹雪で、1メートル先も見えないほど、けぶっている。白く霞む視界、その向こうから、なにかがやってくる。猛進してくるそれが買い物用のカートだとわかった瞬間、手を取られた。カートの車輪がぶつかり、足元の氷が割れた。彼らは駆けだす。地を蹴りあげると、カートに荷物よろしく乗り上げる。降りつもった雪をものともせず、カートは滑る。しろが体重を左右に移動させて、ハンドルのかわりに方向を定める。はちは、彼の体に必死でしがみつく。レジを越え、締まりゆく防火用のシャッターをくぐる。ホールに戻ってくると、カートを乗り捨て、口を開けたエレベータに転がり込んだ。

エレベータは、すぐに動きだし、すぐに止まった。
表示は、2階だ。
扉が開き、彼らは勢い良くはじき出された。背中に感じた熱いものに手をやる。はぎ取った接着面の裏側には、「ほっかほかほかほかほっ懐炉」と書かれていた。

「・・・”いろ”は勘弁だっての」

震え声で言い、はちは暖かなそれをしろに戻す。しろは笑って、

「絶大な効果でしたね!」

と、リュックサックに投げ込んだ。

2階は婦人と子どものためのブティックが軒を連ねるフロアだ。どちらからともなく、彼らは暗がりを歩きだした。
広い通路を中心線に、両サイドに店が並ぶ。2人分の足音が響く。はちが、足を止める。

「どうかしたんですか?」

しろは、懐中電灯で道筋を照らすはちに問う。

「・・・変じゃねぇか?」

しろはじっと目を凝らす。そして気がついた。
目線の先に続くどのテナントも、ひどく散らかっている。商品の服が、まるで脱ぎ散らかしたかのように、折り重なって、あるものはカーペットの上に、あるものは作りもののタンスからはみ出た状態で。棚の上は、小動物が走り抜けた形跡がある。

「これは、片づけが苦手な方の部屋を展示しているみたいですね」

しろは、腕を組むはちの隣で、直近の衣服をたたみ始めた。

「おい、むやみに触るんじゃねぇよ。」

注意するはちの耳が、第三者の音を拾った。かつん、かつんと、廊下の奥より、音が聞こえてくる。1階の子どもが、追ってきたのだろうか?近場の、柱の陰にしろを引き連れ隠れる。音はだんだん大きくなっている。彼らは、一方は胸躍らせ、他方はそわそわと、音が通り過ぎるのを待った。

――背後に迫る存在にも気がつかずに。

目が覚めたとき、眠っていた事を知った。
目を擦る。視界に広がる天井には穴が空き、そこからフードを被った人の顔が覗いている。表情は、暗くてよくは見えない。問わず語りに、眼下に向かって口を開く。

「運動不足だから運動させてるの。」

しろは上体を起こし、座ったまま、周囲を見渡した。少し離れた所に、はちが倒れている。気を失っているのだろう。彼の前には、丸みを帯びた体型の、ワンピースをまとった女性がいる。その横には、ランドセルに半袖半ズボンの少年が、さらに隣には、3つボタンにスーツに小高い帽子をかぶった、スレンダーな紳士がいる。3人は彼から離れ、子を中央に手を繋ぎ、近くのベンチに座った。遠目から見たら、幸せ家族に見えなくもないですねと、しろは微笑んだ。家族の向こう側には、サンダルをペタペタと鳴らす少女や、走りゆくスポーツウェア、忙しそうに歩きまわる作業着などが、思い思いに動き回っている。が、自分たちを囲う皆が、首より上のパーツを持っていないことに変わりは無かった。しろは、天を仰いだ。

「追い払わないといけないって思ってたけど、そんな様子じゃ不要だな。」

フードが、はちを一瞥する。しろも目をやり、やれやれと首を振る。

「お宝を手に入れるまでは帰れませんよ、それに、はちが眠れないと言ってますから。」

「今、眠っているじゃないか。」

「秘密を暴かなければ、お仕事が完了しません。」

報酬もいただかなければ。
しろは、話している内に「そうでした、そんな名分でした」と、思い出し笑いをした。この箱の中での事象を純粋に楽しみ、騒動の鎮静化などすっかり失念していた。
だから、

「君は恐ろしくないのか。怖くはないのか。」

下ってくる問いも、よく意味が分からなかった。試しに、ゆりの口癖を真似て、答えてみる。

「だって、僕は黒蝶堂の副長ですから。」

「やっちまえ。」

短く命じる声が降ってきた。
すると、今まで思い思いに時を過ごしていた人のカタチたちーーそれは、マネキンと言っても差し支えないがーーは、手に金属バットであったり、棒状の大きなキャンディだったり、巨大なバックルのついたベルトであったりをどこからか調達してきて、一斉に構えた。その頭数は、…いや、人数は、ざっと10は下らない。

「マネキンって、どうしてマネキンと言うのでしょう?」

しろは、湧いた疑問を口にしながら、上の階に行く方法を検討していた。彼らに囲まれて、逃げ場は無い。悩みつつ、何気なく隣を見た時、その答えが舞いこんできた。
気を失っていたはちが、隣に立っていた。汚れた眼鏡の奥の双眸に、妖しい光を湛えている。夢を見ているかのようにおぼろげで、それでいて彼にしては珍しく、力強く決意に満ちる鋭さを帯びている。彼は、鼻から息を吐き言う。

「これは錯覚と幻影だ、つまり、白昼夢ってやつだ。」

「今、夜ですよ。」

「別に、黒夜夢でもかまわねぇよ。」

彼は続ける。

「夢は無意識が見せる錯覚だ。つまり、気のせいだ。気のせいなら、無視したって現実には何の影響もねぇだろ?」

彼はそう言うと、頭部のない人影の脇を通り過ぎようと歩み出した。天井の子どもは取り乱し、

「恐ろしくないのか!」

激しい怒声をあげた。

「・・・だから、もうとっくに目が覚めたんだよ。夢の中にいるわけだから恐ろしくもねぇ。」

応じるはちの声は、ひどく静かだ。怒りでも高揚でもなく、研ぎすまされた理性の刃が、子どもに突き付けられる。

「目覚めたのに夢の中とは、妙な話ではないですか!」

「夢の中でもよく喋るな、お前は。」

笑うしろに、はちは肩を竦めた。動こうとしないマネキンたちに、しびれを切らした声が叱咤する。

「やれ、やっちゃえ!」

と、マネキンたちを捲し立てた。カタチたちはそれぞれの得物を振りかざし、彼ら2人に飛びかかった。白い土煙が、非常灯に照らされ姿を自在に変える。

天井の子どもは、頬を引き攣らせた。

自らの手札であるマネキンたちは折り重なって倒れ、その傍らに、肩の埃を払う堂長の姿を見て取ったからだ。

「これが夢なら、体も思いのままだろ?」

はちは恬淡と述べる。身を捩り、彼らを順に伸し、ついでに背後のしろに指示を与えて、マネキンたちの武器を払いのけた。

「危ないですよ。」

ベルトで他の武器を荷物のように一まとめにするしろは言う。
天井の影は乾いた笑い声をあげた。そして天井裏に顔を引っ込め、二度と現れなかった。微動だにしなくなったカタチたちと、黒蝶堂の人間たちは取り残された。

「さすが、夢の中だとひと味違いますね!」

「・・・夢が現実になったら、それこそ大変だろうが。」

大事なのは、夢ばっかみてねぇで、現実を受け入れるってことだろ。しろは、

「僕、はちならやってくれるって信じてましたよ。」

からからと笑って、

「こんな現実なら悪くないですね。」

と、先を行くはちに追随した。


【続】

テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

2014.1.12で。

2014.1.12で、当HPはまるっと4年を迎えました。
なんと(!)これから5年目に入るのです。
これからも、お話を掲載していきたいなと思いますので、
お時間のあるときにでも覗いて頂ければ幸いです。

来てくださる方、読んでくださる方、
この日までありがとうございます。
これからも、宜しくお願いします。 

秋 雨


以下落書きです。

hachi

(黒蝶堂堂長 黒川はち)
「黒蝶堂徒然日誌」は、彼↑の描く日誌に由来しています。

【おしらせ】
長編の続きは、この次の記事で更新予定です。

テーマ : 物書きのひとりごと
ジャンル : 小説・文学

【小話】さえざえとした夜 2【更新】

【さえざえとした夜 2 】(1はこちら


夜、他所の建物に侵入するという行為が、自分の人生で起こるとは、予想だにしていなかった。モダンで巨大な建築物に見下ろされているようだと、ますます気が滅入るはちである。

相談を受けてから間もない今日、時刻は午後十時、黒蝶堂は、百貨店の近傍を進み出した。歓楽街からの酩酊者の叫びと、野良犬の遠吠えが騒がしいが、今宵の音楽は、まだない。今夜こそは眠れそうなのだが、請け負ってしまった以上は、取り組まなければならない。

――しかし、自分達に一体何が出来るというのか?

悶々と考えるはちの足先が、堅い物体を蹴り飛ばした。倒れたのは暗くて良くは見えないが、石か岩かで出来ている、膝下くらいの高さのずんぐりとした物だ。しろが抱え起こして建物に寄りかからせる。
「岩だ、あれは、ただのオブジェだ。」はちは額の汗を拭う。決して男の提供してきた、“火災”の記憶とは一切関係のない物だ。おそらく、地蔵に見えるのも気のせいだろう。

通りに面した堅固で要塞を彷彿とさせる手動ドアは、地に刺さる檻のごときシャッターで封鎖されていた。侵入者を阻むためか、店内の化物を外に出さないようにするためか、もちろん前者だろうと、はちはシャッターの降ろされていない箇所の扉に触れた。押してみるが、びくともしない。全体重をかけるが開く様子は無い。困ったなと頬を掻くはちの横に、突如、一人の男が現れた。警備員の制服を纏った男は鍵を差し込み、扉を押して彼らを先導した。はちは驚きつつも軽く会釈をし、寡黙な警備員の前を通り過ぎた。

――彼によって扉は再び閉められ、鍵が外側から掛けられた事にも気がつかずに。

薄ぼんやりとした緑色の光に照らされたフロアは、化粧品の匂いが充満していた。各ブランドの混ざり合う匂いに、はちは思わず顔をしかめる。視野が限られている分、鼻が利くようになっているのだろうか。懐中電灯を片手に歩くはちの隣、

「冒険みたいでわくわくしますね!」

スキップをするしろが、テナントを一軒ごとに覗いている。

「…緊張感のねぇやつだな。」

はちは呆れ、思索に戻った。

闖入者、というよりは不審者の2人組が隠れもせず正面切って侵入したというのに、警報も鳴らず警備員も来ない。

どうやら依頼主の話は、「本当の」依頼だったようだ。ここまでくると、単なる悪戯ではないと、信じざるを得ない。今の状況も、依頼主の計らいだろう。彼は調査に全面的に協力するため、あちこちに話を通しておくと言っていた。

はちは心を決める。

――とにかく、この店で起こっている事象を、自分の目で確かめる必要がある、と。

男から聞かされた話は、どれも真実とは思えなかったからだ。内心、「バカなことを」と一蹴していた。
一応、現状は確認しておかなければならないだろうと、店にやってきたのであった。

はちはやれやれと首を振り、眼鏡のブリッヂを押し上げた。

その時、レンズが人型を捉えた。

心臓が早鐘を打つ。
足を止め、息を吸い込み、目を凝らす。

エスカレータの横、備え付けのベンチに、詰襟の、軍服じみた服装の人間が座っていた。人影は、緩慢とした動作でベンチから降り、足先を彼らに向ける。先程の警備会社の制服を着ている上背は、はちの半分程しかなく、辺りが暗いため、顔ははっきりとは見えない。しろは戸惑う事無く尋ねる。

「僕たち、ここに眠る浪漫を探しにきてるんです。」

「違う、珈琲代を払ってもらうためだ。…妙なことが起きていないか?」

「なんともないよ。」

返る声は、あどけないものであった。人影は距離を詰めてくる。天井に点けられた非常灯も、声の主の顔を照らす程には明るくない。

「だから、早く帰りなよ。」

「あなたは、どうしてここに?」

もしかして、僕たちが仲間にすべきパーティの一員なのでは?
好意的に近づくしろとは対照的に、はちは足を止めたままだ。

彼は思い返す。

数日前、黒蝶堂にかかってきた電話による男の話だと、調査当日の閉店後、鹿々苑百貨店内には誰も配置しないと言う話だったはずだ。それは、いかなる例外をも含まないという約束だった。それに、問いの「妙な事」とは今まさに、“侵入者を目撃した事件”になるはずだ。

しかし、声は「早く帰れ」と言う。

導き出される結論は一つだ。

目の前で先ほどの警備員と同じ、警備会社の小柄な人間は、協力者ではありえない。
むしろ、

「・・・本物の、泥棒ってか?」

「なんでもいいでしょ。些細きわまりないって感じ?」

含み笑いをした対峙者は、腕を振りあげ、指を宙に舞わせた。
すると動く物一つなかったフロアの空気が、にわかに振動し始めた。

「なな、なんだ?」

はちの頬を、鋭い風が裂いていった。顔に赤が走る。白い袖が、濃い橙に染まる。蛍光の緑が、色の付着した部分を鮮やかに浮かび上がらせる。本能的に姿勢を低くし、飛び交うものたちを仰ぎ見る。棒状の、手を広げて親指と人差し指の間に挟めるほどの長さで、先端が光沢を帯び、地面擦れ擦れを低空飛行する。反射的に目を瞑ると、片側のレンズが染まった。各区画から次々と現れては、床や壁やらを汚していく。

「口紅ですよ!」

前方から声が飛んできた。同じく伏せた体勢のしろが、その一つを掴んでいた。
ベンチの上に陣取る子どもが指を彼らに向けると、風の束が彼らに強く吹き付けた。フロアの奥、口紅が宙に列をなし、魚の大群のように巨大な塊を形成している。照明に照らされるむき出しのそれらは、人を彩る姿を消し、本来の狂気を彼らに焼きつける。

「それいけ!」

声の主が、腕を振り下ろした。口紅達は一斉に、投擲されたナイフのように一直線に飛んできた。

その時、先で身体を伏せるしろが後ろ手に指さすのを、はちの片側の目が確認した。
はちはその意を瞬時に読み取る。彼のカウントする指が0になったと同時に、左側へと体をねじらせ転がっていった。

転がる先にあるのは、百貨店の隅に設けられた、こじんまりとしたエレベータホールであった。強襲の波を越えた彼らは手を突いて立ち、駆け出す。後ろから、鋭い風が背中を押す。開いていたドアめがけて飛び込むと、足をもつれさせつつも、はちはエレベータの「閉」を強く連打する。薄い緑色のランプが点き、扉が徐々に閉まる。

「早く閉まりやがれ!」

はちが掌で強引に扉を閉める。視界の向こうに、飛んでくる口紅が切先を見せた。先頭の紅がホールに侵入するとその後ろ、大量に紅が続き、彼らの姿を確認すると、一斉に加速した。はちの鼻先まで紅が迫った時、やっと扉が閉まりきり、カツカツと、ドアに衝突し床に落下する凶器の音が、エレベータ内に響いた。

「地下が近道です。ダンジョンの基本です!」

電気の点いていない狭い空間の中、息を整えるのに必死なはちの隣で、しろは、うんうんと頷く。

「ボスは高いところにいますから、まずは地下に眠る宝箱をチェックしましょう!」

「…なんで宝箱に入ってんだろうな」

「まるで先の冒険者さんが、サービスしてくれたみたいですね。」

「出発する前に、必須アイテムくらいくれればいいのによ。」

はちはそう言うと、しろの背中にあるリュックサックを訝しげに見た。軽口をたたかなければ、現状に心が追いついていない事実を、受け入れてしまいそうでもあった。

――そもそも閉店後に、エレベータは作動するのか?

はちがその疑問に辿り着くまで、10分はかかった。

リュックから取り出した、持参した握り飯を食べ、温かい茶を飲んだ。
食休みを兼ねて、はちは考察する。

確かに、この店は異常事態に陥っている。だからといって、お祓いじみたことができたり、札を貼ったり、呪文を唱えたりなど、できるわけがない。自らが巻き込まれるトラブルは総じて、黒蝶堂という看板に期待した、他者からの要望に起因している。出来ることといえば、様子を見、情報を仕入れ、依頼してきた者に報告すること位であろう。

なぜ行動しなければならないのか。なぜ黒蝶堂に依頼してくるのか、他でもないはちが一番疑問に思っている。

――以前、自分そっくりの奴に遭遇したな。

腹ごしらえをしたはちに、いやな思い出がよぎった。レンズを服の袖で拭い紅を落とすと、しろに叱られた。

「シャツも色まみれなんだから今更だろ。」

と、力なく応じた。

外が静かになったのを確信して、彼らは立ち上がり、エレベータの上方、案内板に懐中電灯の明かりを照らした。百貨店内に出店している店名と傾向が、小さな文字で表記されている。とりあえず各階ごとに様子を見ようと、はちは地下1階のボタンを押した。が、応答はない。行きたくない気持ちが具現化してしまったのかと、今度は親指に力を込めて、押す。光りもせず、音も鳴らない。しろが側面のボタンに触れる。しかし、それでもエレベータはうんともすんとも言わない。「開」も応じない。しんと、ボックス内が静まり返った。

「・・・閉じこめられたんじゃねぇの?」

「お休み中に僕たちがどかどか入り込んだから、怒ったんですかね?」

彼らは言い惑う。力ずくで扉を開けようとするも、天の岩戸のようにかたい。「danger」と書かれた緊急時用ボタンも押しこんでみたが、返答は無く、押しこまれた状態のまま、元に戻らなくなってしまった。これも帽子の男の計らいだろう。彼のおかげで、外界との通信は完全に遮断されているようだ。
それに気がついたとき、はちの緊張の糸が切れた。自分が寝不足であることを思い出し、冷たい床板に誘われる。座って数分経った頃、「少しだけ休む」と、しろに伝える。睡眠不足がゆえに、まともな思考回路を失っていた。
瞼を閉じた瞬間、閉ざされた視界で白い光が破裂した。がばっと起きあがる。内部は暗いままだ。再び、うつらうつらと眠りに落ちようとすると、白い光が一層眩しく、一挙に広がった。

「はち、あれ!」

目を開くと、しろが指さす先、案内表示板が七色に明滅していた。途端、がくんと足場が崩れ、体が宙に浮いた。

臀部を強打した。ぐうと喉奥がうめく。同時に、ティンと軽やかな音とともに、扉が開いた


【続】

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ジャンル : 小説・文学

【小話】おわるはじまり【更新】

【おわるはじまり】

「お客さんですよー」

半纏の背を丸め、炬燵で暖をとっていたはちは、弾む声に耳を疑う。年中開店休業中の黒蝶堂に、正月から来る客があるものか。

「はちー」

間延びした声の主は、黒蝶堂の表を掃いていたはずだ。彼は飛行機でさえUFOだと、たとえ一人でも大騒ぎできるほどの目を持っている。呼ばれたはちは、蜜柑を剥く手を止めて、重たい腰を上げる。居住空間を後に、暗くて寒い黒蝶堂を通り、硝子戸を開ける。
そこには、見覚えのある少女が居た。彼女が頭を傾け、二つに結った髪を揺らすと、彼女の周囲を漂う光の塊が同じく座標を変えた。

「相変わらず、忙しそうだな。」

「・・・皮肉はもっと巧く言え。」

「子どもは風の子だというのだろう?」

「子どもじゃねぇからな、残念だが。」

「てめぇが子どもじゃねぇか」と問うはちに、「そうだぞ」と彼女は素直に頷いた。はちは怪訝そうに眉をひそめる。なにか引っかかりを覚えるはちへ、彼女は白い掌を見せた。

「・・・なんだ?」

「あたしは子どもだから、大人の堂長がお年玉をよこすんだぞ。」

「・・・なるほど。」

「貴方にしては論理戦できたのね。」

はちの背後から、赤いリボンの少女が現れた。身をよじらす彼を余所に、少女は牡丹の脇に佇む。「悪くはないわ」と、地面に手元の書物を横たえた。

「何が「悪くはねぇ」だよ。」

はちは仕方なく、懐を探った。がま口財布の中を覗く。タイミング良く、箒を放ったしろが、ポチ袋を持ってきた。彼女らに背を向け封をすると、一つを牡丹に、一つをゆりに伸べた。

「有り難く頂戴するわ。」

礼を言い、帯にそれをしまうゆりは、隣の牡丹に顔を向けた。牡丹は中身を手に、太陽に翳して言う。

「高価な硬貨なのか?」

「線香と蝋燭の組が4人分買えるくらいだ。」

「もちろん、一般的なやつだがな」と、はちは懐手に付け加える。「子どもなんだから、そんくらいで十分だろ。」頭を掻くはちに、牡丹は大げさに、あからさまな落胆を見せる。

「船を買うにはまだまだかかりそうだ。」

がっくりと肩を落とし、「渡し賃にさえ足りないぞ」と、力無く首を振った。

「お前達の順番がくるまでには、準備してやりたいが。」

「目標は豪華クルーザーなんですね!」

寒空の下、吹きすさぶ風の通りには、彼ら以外に人の姿はない。しろから温かな甘酒を受け取ったはちは、

「・・・いったい何の話をしてるんだ。」

彼女達へ、順々に湯呑みを回した。掌から、彼女達は暖をとった。一口飲み下したゆりが、ふと牡丹を見やった。

「牡丹、東に二歩動いて頂戴。」

「ひがし?」

飲み干した湯呑みをしろへ返し、ゆりが地上へ横たえた書物を興味本位でめくっていた彼女は、右の指を惑わせる。

「卯の方角へ3尺よ。」

合点がいったと、牡丹は本を開いたまま、ブーツのかかとを鳴らして移動した。途端、彼らの視界をすさまじい落下音とともに横断するものがあった。彼らの髪が重力に反し、体は一瞬の熱風にさらされた。白い煙が昇る。アスファルト舗装の地面が抉れている。その中央に玉虫色に光る物体が鎮座していた。

最初に動いたのはしろだ。身を屈めて、それを眺める。

「これは、隕石ですか?」

キラキラしていて、とても綺麗ですねと、目を輝かせ嘆息した。はちは目を疑い、微動だにできないでいた。少しの間をおいて、やっとそれに焦点を合わせることができた。よく見ると、落下物は何かを下敷きにしている。

「・・・いや、違う。」

書物から煙が出ていた。表紙に「世界の終焉」というタイトルと、隕石の落下を見やる人間の影が4つ並んでいる。先ほどは、まったく味気ない表紙だったはずだが、気のせいだったのだろうかと、ヒビの入った地面を見やる。このまま地面を直さなければ、新年早々、窪みに蹴躓く者がいるかもしれないが、目の前の現象を巧く説明する自信が、彼にはなかった。

「ゆりの観測のおかげで助かったんだぞ。」

ゆりに感謝の意を伝えた牡丹は、ほっと胸をなで下ろした。

「・・・今年が平穏に終わることだけを願いてぇもんだ。」

不吉な予感を払拭できないはちは、祈るようにゆりを見る。地上の書物を胸に抱いた彼女は、

「あなたは、あなたらしくいればいいの。」

厄災は私が予測するから、心配はいらないわと、頁をめくった。

「予測がゆりちゃんなら、排除は僕にお任せください!」

案件を一番持ち込んでくる青年は、ぴしっと指を立てた。頭痛の始まったはちは、ため息混じりに言う。

「・・・未来なんざ、読めるわけがねぇだろうが。」

「そうかしら?」

「ゆりちゃんがいれば、うちは安泰ですね!」

まるで神様みたいですと喜ぶしろに、



少女と堂長の声は、寸分違わぬハモリをみせた。
驚いたのははちの方である。少女と視線を交わらせれば、人を挑発するような涼しい顔がそこにあった。
牡丹としろが、顔を見合わせて笑った。


【了】

テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

年始のご挨拶

あけましておめでとうございます。
旧年中は、当ブログをご贔屓にして頂き、ありがとうございます。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。  秋雨


今年のお正月はとても暖かくていいですね。
ごぶさたしてます、秋雨です。
去年は、いろいろ考えることが多かった1年だったなーと思います。
答えの出ない事を悶々々々と。(笑)

更新も滞りがちになってしまって、覗いてくださる方には本当に申し訳ないです。
その上、沢山のブログにお邪魔したいのに、なかなか遊びに行けず…
PCの具合も悪くて、「もうなんなの?!」と、モニターに聞いている始末です。

今年は、意識的に時間を設けて、新しい事に出会う(遭う?)1年にしたいなと思ってます。
黒蝶堂のお話も、少しずつ描けていけたらなーという願望で。
去年よりは多く創りたい。そして、定期的な更新を目標に。
「それでもいいよ!」という心優しい方がいらっしゃれば嬉しいのですが…どうかな。

【この先の予定】

・「さえざえとした夜」(年末からの持ち越し連載)⇒随時更新予定
・「黒蝶堂の年明け」(読み切り)⇒この次の記事にて更新


テーマ : 物書きのひとりごと
ジャンル : 小説・文学

説明

秋雨

Author:秋雨
人間と憑者のライトホラー物語。

現実世界その他諸々の事象とは、一切関係ありません。著作権は放棄していません。なにかありましたら拍手からお願いします。

【管理人】

秋雨。成人済。

【主な登場者紹介】

黒川 はち

古書店黒蝶堂堂長。
気苦労の絶えない受難者。

氷山 しろ

黒蝶堂副長。
電波的言動の目立つ青年。

ゆり

黒蝶堂憑者。
冷静沈着な少女。

深見ヶ原 牡丹

深見ヶ原墓地憑者。
猪突猛進イノシシ娘。

カコ

川辺の憑者。
人間嫌いで鬼桐の部下。

鬼桐

煙草が手放せない隊長。
熱くなると誰にも止められない。

黒川 伊織

はちの祖父で先代堂長。
3年前に他界。

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