雨上がりの話 4

追記でお返事ですv⇒misia2009さん、黒猫スミスさん、夢さん
拍手だけの方も、ありがとうございます!


そして、小話更新です。
いつもよりも文体がおかしい箇所があるかもしれません。
読んだ本にすぐ影響されるのは、悪い癖かも。
試行錯誤で、自分の描き方を身につけていきたいなぁ…とかいう願望


前々々回⇒雨上がりの話 1
前々回⇒雨上がりの話 2
前回⇒雨上がりの話 3

雨上がりという名の完結は、まだ先。

↓↓よろしければ、れっつすくろーる↓↓



【雨上がりの話 4】

「これは、すごいです!」

ぱあぁーっと、表情が明るくなり、
ははぁーっと、供物を天に捧げるかのように、両手で傘を頭上に持ち上げるしろ。
その手から、さっと捧げ物が奪われた。

「何するんですか!」

しろは奪った張本人であるはちを、キッと睨む。
漫画の登場人物であるかというほど、彼は表情が豊かである。

「おい、これはどういうことだ。」

しろを無視し、
険しい表情ではちがじっと見つめるその先、ゆり。

…なんか、いつもと違うな。

はちは少しの違和感を感じ、視線を下げる。
そこで、あぁ、なるほどな、と合点がいく。

今ゆりが履いているのが、普通のスリッパだからだ。

いつも合わせる目の高さに、赤いリボンの先端が映ったから、
恐らく普段、10センチ程度は誤魔化しているのだろう、と推測する。

切り揃えられた前髪の下、眼光鋭い瞳を見る。
幸いにも、赤く染まってはいない。

「どういうことって、どういうこと?」

「とぼけるな。こんなことができるなんざ、てめぇの仕業以外に考えられねぇんだよ。」

今までの所業を振り返れば、推論は難くない。
先ほどの痛みを思い出し、はちは奥歯をぎりりと噛んで、こらえた。

一指も触れず棚を動かしたり、本を鳥のように羽ばたかせたり、
今更【偶然】を装って、百科事典の墜落事故を発生させたり。

これらはすべて、ゆりが憑者だからこそ、発生させられる現象である。
逆を言えば、ゆりにしかできないはずであり、
正体不明の、なんらかの力を使って、
傘から金を出しているように見せかけているのであろう。

【目に見えない物は信じない】信条に反し、大変不本意だが、
実際傘から貨幣は落下した。

だからこそ、そうとしか考えられない。
一連の怪奇現象は、黒蝶堂憑者である、ゆりの仕業なのだ、と。


はちは確固たる自信をもって、ゆりに詰め寄った。

「私が、何のために?」

だが、ゆりに動揺は見られない。
むしろ、感情のかけらもない、人形のようであり、
氷のような冷たい印象を受ける。

「退屈しのぎだろうが。」

「傘が開く瞬間に大量の小銭を移動させて、ばらまいて、あなたたちに拾わせる
…悪いけど、私にはこれのどこがおもしろいのかさっぱりだわ。それに」


「それに?」

「憑者は無から有は創れないわ。」

「?」

疑問符を浮かべたはちに、ゆりは淡々と、言葉を紡いでいく。

「仮に私が実行するとなると、落下分の金銭が必要になる。
それを準備するとなると、あなたたちの財布は頼れないから、
金融機関から拝借することになるわ。
紙幣を両替して、大量の小銭を袋か何かに入れて、隠しておく。
黄色い傘を買って、表に立てかけ、発見されるのを待つ。それが
開かれるかどうかも、不確かな状態で。」


彼女の口調はまさに、立て板に水。
はちの脳内で合点のいく表現が見つかった。

内容処理のためのタイムラグを生じさせながらも、
確かに面倒そうだな、とはちは納得しかける。

だが、その一方で、
これだけ流暢に言えるのなら、やはり計画を立てた実行犯ではないか、と疑いの芽が残る。
まだまだ予断は許さない。

「そんなまどろっこしい事、こちらから願い下げよ。それに」

「それに?」

「全然楽しくないじゃない。」

ゆりは大げさに、肩をすくませた。
取り巻く空気が、一瞬にして緩やかな物に変わった。

「仕掛けられる方は、お金が降ってくれば喜ぶでしょう。
例え自分のであってもね。だけど全部知った上で仕掛ける側は、大して
おもしろくもないわ。利点も無い。予定調和の等価交換はい終了。

…手元に残る借金は誰が返すの?
さながら、既に結果が出た競技…さっかー?って言ったかしら。
その試合の録画を、わざわざ映画館を貸し切って、夜中にたった一人で鑑賞するがごとしね。」


「相当のファン…嗜好者か、暇人なら見るだろ。」

「喜ぶ姿を見ることだけで、退屈が解消されるなら、毎日喜ばせてあげるわよ。
でも…【造られた未来なんて、興味ねぇ】んでしょう?」


「うっ…」

聞き覚えのある言い廻しに、はちは口ごもった。

その時は上手い事言ったつもりでも、後日改めて他人の口から言われると、
意外に恥ずかしいものがある。

現実にはそういうことが往々にしてある。

「つまり、私は関与していないし、未来も創れない。
その証拠に、傘を振ってあげるわ。」


早口でまくしたてたゆりは、はちに近づき、閉じられた傘を手にした。

よく見ておいて頂戴、と二人に言う。


だが。
手に取った瞬間、何かが上へと弾かれた。

それは電灯の光を浴びながら、勢いをつけ…

「痛っ…」

ゆりの頭上を襲った。

「ゆりちゃん!」

突然の痛覚を受け、その場にうずくまったゆりに、しろが素早く反応する。

「うわっ!」

頭上落下の物体が、床に転がる。足元まで、転がる転がる。

そして今度はそれを、しろが踏みつけてしまった。

転倒。後頭部強打。ヒヨコの飛んでいるであろう、しろの視界。

まるで舞台かドラマ。示し合わせたかのような、現状。

はちの目には全てがスローモーションに見えた。

「おいおい、どうなってんだよこれは…。」


【続】


まだまだつづくよ!←
ゆりが途中で引用した台詞は、
ここらへん
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misia2009さん

まさか単位が「個」だとはwwwよろしければおひとつドゾー(笑)
はい!口がありえぬ方向にあがるのですv
そして、力ずくで片目だけ閉じようとするので、眉根が寄ってしまうようですv


黒猫スミスさん

気になる発言感謝ですvそして、ブロとも申請ありがとうございました!
時間のあるときにまたーり、へぇーと脱力した気持ちで見ていただけると、嬉しいですv
内容はうっすいかも、わかりませんが…(笑)どうぞ楽しんでいってくださいませ。


夢さん

片頭痛もちの人とか特に、お薬を飲んだりしているので大変そうです(´・ω・`)
テンプレ変えてみました!えへへ←自分でもなかなか気に入っていますv
作ってくれた方に感謝しつつ、機能を十分使いこなせるか不明のまま、
暫くはこれで行きたいと思いますv

夢さん方で最近、おもしろい企画をなさってますよね!
皆さんが参加してるので、私もたまには参加してみようかなぁ…←
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説明

秋雨

Author:秋雨
人間と憑者のライトホラー物語。

現実世界その他諸々の事象とは、一切関係ありません。著作権は放棄していません。なにかありましたら拍手からお願いします。

【管理人】

秋雨。成人済。

【主な登場者紹介】

黒川 はち

古書店黒蝶堂堂長。
気苦労の絶えない受難者。

氷山 しろ

黒蝶堂副長。
電波的言動の目立つ青年。

ゆり

黒蝶堂憑者。
冷静沈着な少女。

深見ヶ原 牡丹

深見ヶ原墓地憑者。
猪突猛進イノシシ娘。

カコ

川辺の憑者。
人間嫌いで鬼桐の部下。

鬼桐

煙草が手放せない隊長。
熱くなると誰にも止められない。

黒川 伊織

はちの祖父で先代堂長。
3年前に他界。

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