雨上がりの話 7

久々に、小話upします。
【雨上がりの話】の続編です。

はちがだべるだけの内容です。
だらだら。
…そういえば、小話で【はちだけ】が一人で登場するのは、今回が初めてかもしれない。
今更ながらの、モラトリアム(笑)っぽいもの。



↓↓前回分まではこちら!↓↓

雨上がりの話1
雨上がりの話2
雨上がりの話3
雨上がりの話4
雨上がりの話5
雨上がりの話6

↓↓よろしければ、れっつすくろーる↓↓


【雨上がりの話 7】

おかしい。
自室にこもり、引き戸を閉めた後、
暗闇の中ではちは座り込んだ。

おかしい。そう思わずにはいられない。

それは、
なぜ、
【自分の身にだけ】
なにもおこらないのか、ということについてだ。

しろの言葉が思い出される。

「はちらしくないですよ!」

「…確かにそうかもしれないな。」

暗い部屋で、今更しろの言葉に同調する。

とは言っても、
自分は決して、マゾ思考ではない。

ましてや、
「堂長である自分が身代わりになる。だから、しろとゆりには手を出すな!」

と言った、
任侠と慈悲に溢れた心があるわけでもない。

断言できる。
だれしも自分の身は守りたい。そうに決まっている、と。


だが、
しろとゆりの身に降りかかっている、
悪戯ほどの小さな、「ちょっとした」災難。

【それらは本来、自分がターゲットになるべきではないのか。】

と、一般人が聞けば耳を疑うような思考が、脳内をぐるぐると
さまよっており、

「何言ってんだ、オレが一般人じゃねぇみたいな事…。」

自分の思考に、自分で突っ込みを入れている始末だ。

この思考回路には、理由がある。

今までの経験を通じ、
自分の立ち位置と言うものを、嫌と言うほど自覚している。

同様な立場の人間にしか分からない、
哀れなる、哀しい性なのだ。

例を挙げればきりが無い。

とばっちりから、割に合わない不幸。
言われの無い誤解から生じた、意識混濁。

それに伴う標的は、過程の差すらあれ、
結果はほぼ100%、自分に向けられたものであった。

それがどうしたことか。
傘のせいかどうかは全く以て不明瞭なのだが、
それが到来してから、自分の周囲が被害を被っている。

被って「くれて」いるのか。
もしくは、強制的に
被ら「されて」いるのか。

だが、誰が何のために?

疑問が疑問を呼ぶ。土台が不安定な、鉄塔の上に居るような気分だ。

暫く考えた後、一つの仮説に、たどり着いた。

「まさか…な。」

浮かび上がってきた自らの仮説に、肝が冷える思いを抱えながらも、
その思いを振り払うかの如く、首を左右に振る。

が、結局、耐えきれず、言葉にしてしまった。

「オレの存在価値は、その程度のもんじゃねぇ…よな?」

自らへの問いかけ。
だが、静かな部屋で答える者はいない。

視界の端に入った、傍らの傘を一瞥する。
口内に上がってきた、溜め息の波を、
防波堤ギリギリのところで防いだが、
胸苦しさを振り切ることは、できない。

自分を、黒蝶堂の「盾」であったとするなら、
もはや、その「盾」は必要とされていないのであろうか。

そして、それはなぜなのか。

ばかげた考えだとは、
だれよりも、自分が一番わかっている。

支離滅裂な理論展開にも、目をつぶってほしいと、だれにでもなく乞うている自分がいる。

それほどまでに、思わずにはいられない。

それほどまでに、重大な問題なのだ。

そんな、悶々とした思いを抱えながら、
そして、少しずつ
それに、心をむしばまれながら、

一週間が、亀の歩みのように、ゆったりと過ぎ去った。


【続】



次くらいで完結します。

…暗い部屋でぶつくさ言ってる人がいたら、気味悪いですよね。




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秋雨

Author:秋雨
人間と憑者のライトホラー物語。

現実世界その他諸々の事象とは、一切関係ありません。著作権は放棄していません。なにかありましたら拍手からお願いします。

【管理人】

秋雨。成人済。

【主な登場者紹介】

黒川 はち

古書店黒蝶堂堂長。
気苦労の絶えない受難者。

氷山 しろ

黒蝶堂副長。
電波的言動の目立つ青年。

ゆり

黒蝶堂憑者。
冷静沈着な少女。

深見ヶ原 牡丹

深見ヶ原墓地憑者。
猪突猛進イノシシ娘。

カコ

川辺の憑者。
人間嫌いで鬼桐の部下。

鬼桐

煙草が手放せない隊長。
熱くなると誰にも止められない。

黒川 伊織

はちの祖父で先代堂長。
3年前に他界。

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