『一筋の光』

おっと、久しぶりの短編更新になってしまいました(汗)
しかし、あきらめ悪くも、お題は全部消化する予定ですv

最近は夜も、随分涼しくなりましたね。
おかげで現在深夜なのですが、かなりの空腹です…
ぐぬぬ、今食べてはならぬと思いつつ…負けそうです←

さてさてではでは、↓から短編始まります。
よろしければ、どうぞお付き合いくださいv



【はちの月企画 一日一短編】

お題⑧ 『一筋の光』


重苦しい溜息が、熱気のこもる堂内に吐き出される。
体温と同程度の室温に、息苦しいほどの湿度。
足元の扇風機が必死に頭を振るが、生温かい空気がかき混ぜられるだけで、大した効果は無い様子。

「どうしてこんなくそ暑い真昼間に、帳簿なんかつけにゃならんのだ。」

額に汗を浮かべながら、堂長・黒川はちは独り嘆く。
席上には日誌の、帳簿欄が開かれている。
そして、目下はちが頭を痛めている原因は、帳簿内の数値である。

はちは、本日だけで数十回目の溜息をついた。

どのページを見ても、欄を埋めるは

「…先々月も先月も今月も赤字。こりゃ来月も赤字か…。」

電卓をはじいた後、末尾の空欄に、マイナスの数値を書き入れる。
その表情は非常に苦々しく、とても他人に見せられるものではない。
子どもが見たら、恐らく泣き出してしまいそうな程に。

「はち、溜息をつくと幸せが逃げるんですよ。」

と、開けっぱなしにしている表の扉から、しろが入ってきた。
暑い中の買物から帰宅してきたはずであるのに、その顔には、汗の玉一つ浮かんでいない。

その余裕綽々ともとれる様子に、はちは眉間のしわを更に深くする。

「小難しい顔してないで、気分転換に散歩でも行ってきたらどうですか?」

しろは人差し指を立てながら、はちの仕事を覗きこむ。

「お前はオレを熱中症で殺したいのか。」

「そしたら保険金で、赤字が黒字に早変わりですね。」

「…確かにな。って、縁起でもねぇ事を言うな!」

悪気の一つも無い笑顔を浮かべるしろを前に、
はちは突っ込むタイミングを一瞬逸しながら、左腕で肘をつく。

「元気がないですねぇ。あ、それなら僕が奇跡を見せてあげますよ!」

と言うと、しろはどこからか色のペンを取り出し、高々と掲げた。

「おい、何すんだ!」

はちの抵抗どこ吹く風。
しろは軽快な手つきで、はちの手元から日誌を奪い取り、サラサラと何かを書き込んだ。

「これで完璧です!」

見れば、末端の欄、字の数値に付けられた『』の記号。
それが強引に、『』に書きかえられていた。

「奇跡を起こす『一筋の光』が、なんと具現化してしまったのです!」

ねつ造されたプラスの記号、その縦線を指して、しろは胸を張った。

「なるほど。これで、万年金欠も解決だな
…ってなるわけねぇだろ!ふざけるのも大概にしろ!」


その時、汗ではなく筋を額に浮かべたはちから、ぷつんと音が聞こえた。

「あれ、ついに暑さで参ってしまったようですね。」

楽しげに語るしろの前。
全力のツッコミの後、ぐったりと机に突っ伏したはちからは、
僅かにではあるが確かに、湯気が上がっていた。

室温37.2度。
現状打開のための、希望の光は欲しいが、
太陽の光は、一筋たりとて注いできてほしくはない。

そう思ったが最後、はちの意識は完璧に途切れてしまった。

【了】


水分補給は大事です。
しろが暑さに強いのは、彼が変温動物だからです(蛇足的説明)

暑さで目が覚めることが、最近の私の日常です。
実は、家でクーラーを入れる習慣が、まったくないのです。


追記からお返事です⇒misia2009さん
拍手だけの方もありがとうございます!ほんと、まちまちな更新で申し訳ない…


はちの月がんばります!ってことで、ランキングですv
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コメ感謝です♪
お盆は忙しかったですけど、楽しいことも多くて充実してましたv
田舎では、毎年お盆にきなこもちを食べますねぇ。仏様に備えたり、親戚で食べたりとv
が、確かに食欲ない時は、重たいです。

素敵だなんてそんな…(●´ω`●)///
はちの笑顔は、描いていてむずがゆい気分になります←

経営は私もはちも初心者ですが、がんばっていきます!

お気づかい恐縮です…!
あと少しの夏を気合で乗り越えます!
misia2009さまも、倒れる事のなきよう、ご注意くださいませ。

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秋雨

Author:秋雨
人間と憑者のライトホラー物語。

現実世界その他諸々の事象とは、一切関係ありません。著作権は放棄していません。なにかありましたら拍手からお願いします。

【管理人】

秋雨。成人済。

【主な登場者紹介】

黒川 はち

古書店黒蝶堂堂長。
気苦労の絶えない受難者。

氷山 しろ

黒蝶堂副長。
電波的言動の目立つ青年。

ゆり

黒蝶堂憑者。
冷静沈着な少女。

深見ヶ原 牡丹

深見ヶ原墓地憑者。
猪突猛進イノシシ娘。

カコ

川辺の憑者。
人間嫌いで鬼桐の部下。

鬼桐

煙草が手放せない隊長。
熱くなると誰にも止められない。

黒川 伊織

はちの祖父で先代堂長。
3年前に他界。

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