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『夢のあと』1*続きます。


自分の首を絞めるのはわかっているのに、短編が続き物になってしまう今日この頃。

上着を着ていたのですが、私の住む地域ではまだちょっと、早かったようです。

この時期が一年で一番好きな気候なのですが、風邪もひきやすいのでどうしたことか。

ってなわけで、今日の短編は以下からどうぞv
完結したら、さくっとまとめます。


【はちの月企画 一日一短編】

お題⑬『夢のあと』


「何してんだ?」

昼食後の一時。
堂長席で茶を啜っていたはちの目に、ガタガタと音を立てている白い青年が映っていた。
青年は、にこりと笑い、物置からひっぱりだしてきたと思われるはしごを、堂長席向かいの通路に固定した。
訝しげなはちの視線を全く意に介さず、軽い足取りで登ると、

「確かこの棚の、上から2番目、右から12番目の…あ、ありました。」

一冊の本を片手に、すぐさま地上へ復帰した。

「何だそりゃ?」

青年は、再びにこりと笑い、はちの席へ接近しながら、古ぼけた表紙に一息かけた。
舞う埃に、思わずくしゃみをしたはちの前で、ページをめくり始める。
そして、一枚一枚暴いていく指の動きが、中間地点で止まった。
同時に、止まらなくなっていたくしゃみがやっと引いたはちが、涙目で青年を睨みつけた。

「おい、一体何が何だっつーんだ!」

「はち、見てください!」

少々苛立つはちの鼻先、青年・しろは、長方形の用紙を広げて突きつけた。

「何だ…おもちゃ銀行券か。」

目を細め、ピントを合わせるはちにしろは人差し指を立て、

「ほら、今は懐かしい二千円札ですよ!やっぱり、あの夢は本当だったんです!」

興奮冷めやらぬ様子で、紙幣を掲げた姿勢で、その場でくるくると回った。

「おい、狭ぇんだからやめろ!」

はちの忠告にも耳を貸さず、くるくると回り続けるしろ。

しろが紙幣に加え、席上に置いた本にも手をとろうとした瞬間、

「あっ」

っとバランスを崩し、転倒した。

器用なほどにはしごを巻き込みつつ、派手な音を立てながら後方へ倒れるしろ。

そのはしごは棚をかすめ、その結果、さらに数十冊の本が落下し、
あっという間にしろとはしごを覆ってしまった。

その衝撃音に、店頭を歩く人々が驚きの表情で店の中を覗きこんでくる。

埃の舞う空間と惨状を前に、はちは

「見るならこのバカたれじゃなくて、商品の一つでも見てほしいもんだな…。」

本の山と化した元・居候に元・はしご、

そして、元・通路を見ながら、軽く現実逃避をした後、

長い永い溜息をついた。

「わかってるよ。これを片づけるのは、オレの役目だって事くらいな。」


【続】

短編がんばるぞ!ってことで、ランキングですv
気が向いたら、おしてやってください。



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秋雨

Author:秋雨
人間と憑者のライトホラー物語。

現実世界その他諸々の事象とは、一切関係ありません。著作権は放棄していません。なにかありましたら拍手からお願いします。

【管理人】

秋雨。成人済。

【主な登場者紹介】

黒川 はち

古書店黒蝶堂堂長。
気苦労の絶えない受難者。

氷山 しろ

黒蝶堂副長。
電波的言動の目立つ青年。

ゆり

黒蝶堂憑者。
冷静沈着な少女。

深見ヶ原 牡丹

深見ヶ原墓地憑者。
猪突猛進イノシシ娘。

カコ

川辺の憑者。
人間嫌いで鬼桐の部下。

鬼桐

煙草が手放せない隊長。
熱くなると誰にも止められない。

黒川 伊織

はちの祖父で先代堂長。
3年前に他界。

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