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夢のあと 6

寒いいいいですね。
もう11月とは…シンジラレナイ。

この短編が終わったら、ハロウィンネタに走るかもしれない…
なにはともあれ、続きですv


1~5のまとめ⇒夢のあと まとめver.

まとめ版を作ってみましたので、よろしければご利用ください。
↓↓まとめ版の続きはこちら↓↓


【夢のあと 6】

夜。

「信じてねぇわけじゃねぇけどよ。」

誰にともなく言った後、はちは昼間に半ば強引に押し付けられた厚紙を、
静かに寝床へ忍ばせた。

「こんなもんで幸せになれるなら、100枚でも10000枚でも積み上げてやるさ。」

湧き出してくる可能性を強引に押し込め、
半信半疑、絵を枕の下に埋め込んだはちは、ぱちぱちぱちとコードを引いて
電気を消した。

睡魔が彼を食べつくすまで、さほどの時間は要さなかった。

気付けば、はちは、だだっ広い草原の中央で寝転んでいた。

膝ほどの高さの青い草原に混じり、黄色い菜の花が風に揺れる。
空は突き抜けるほど青く、浮かぶ白い雲は混じりけのない入道雲。
背の高い建物はおろか、人工物一つ見当たらない。

ここが世界の果てといっても、しろなら信じてしまいそうな空間である。

「広いな・・・ここは、オレの夢の中、か・・・。」

眠っているはずであるのに、意識はやけにはっきりしている。
穏やかな風が頬を撫ぜ、さらさらと草木の揺れる音が耳に心地よい。

暫くぼんやりとしていたが、うとうとと再び睡魔が襲ってきた。

はちは右頬をたたく。
そして立ち上がり、体の埃を軽く払い落とした後、メガネを人差し指で押し上げた。

夢の中で夢の中に落ちるなんてややこしい事、しろじゃあるまいし、オレは勘弁願いたいね。

背伸びを一つすると、世界はどこまでも続いていきそうな予感すらした。

その時。
黄色い草原の波に呑まれた、白い塊が視界に止まった。
じっと目を凝らすと、それと目が合う。

いやな予感が、汗となって背筋を伝う。

その途端。
自らの巨体をぶるぶると奮わせ始めた白い塊。

「ちょ、ちょっと待て!」

はちの静止も聞かず、彼(彼女?)は猛スピードではちとの間合いをつめてきた。
目も追いつかぬ速度と、身軽なフットワークで白い物体に
突進されたはちは、為す術も見つからぬ内に、腰を激しく地上に強打した。

「痛ってぇ・・・。」

後頭部が感じたのは、草原を覆う柔らかい土の匂い・・・ではなく、
凹凸のある、石のような硬度の衝撃であった。
数秒間はたまた、数分間、意識を失っていたらしく、
目を開けると、倒れた際に火花を散らせた自分の姿がフラッシュバックする。

若干の、脳しんとうの症状。

今この場が夢か現かは不明だが、その鈍い痛みだけは、現実味が非常に濃い。

辺りはなぜか暗い。そして、外気は少々肌寒い。

衝突の際吹き飛んだと思われるメガネを手探りで探し、掛け直す。
ブレた意識同士が再度手を繋いだ時、視界が徐々にしかし確実に定まっていく。

はちは気付いた。

カーテンの隙間から注いでくる月光に照らされた室内。

自分の座るは一組の布団、天井を支配する、コードの垂れ下がった電灯と
枕元の小さな戸棚。

見覚えのある風景だ。

隣室と、この部屋を結ぶ足元の金属製のレールは、先程自分が倒れていた位置と一致する。
痛みが蘇ったのか、苦々しい表情でそれを睨みつけたはちは、布団の上に上体を投げ出し

「・・・ひでぇ悪夢だったな。」

”黒蝶堂2階の自室”で、ゆっくりと息を吐いた。

【続】

畳は意外と冷たい。

短編がんばるぞ!ってことで、ランキングですv
気が向いたら、おしてやってください。



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説明

秋雨

Author:秋雨
人間と憑者のライトホラー物語。

現実世界その他諸々の事象とは、一切関係ありません。著作権は放棄していません。なにかありましたら拍手からお願いします。

【管理人】

秋雨。成人済。

【主な登場者紹介】

黒川 はち

古書店黒蝶堂堂長。
気苦労の絶えない受難者。

氷山 しろ

黒蝶堂副長。
電波的言動の目立つ青年。

ゆり

黒蝶堂憑者。
冷静沈着な少女。

深見ヶ原 牡丹

深見ヶ原墓地憑者。
猪突猛進イノシシ娘。

カコ

川辺の憑者。
人間嫌いで鬼桐の部下。

鬼桐

煙草が手放せない隊長。
熱くなると誰にも止められない。

黒川 伊織

はちの祖父で先代堂長。
3年前に他界。

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