『空色のかばん』

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なんとなく落書き放置。
牡丹、ごめん。

ふと思う事があるのです。
もし私がこの場に来れなくなったら、こいつらはどうなるのだろう、と。

このブログは私個人のプライベートルームのような存在で、
彼らを動かすのは私が主で。
もしここに来れなくなったら、こいつらの生活も留まってしまうのだろうか?

今からその時に備えて、設定帳を描いておいたり、影武者とかを立てといた方がいいのかとか。

…大変暇を持て余した末の、妄想をお送りしました。

↓↓さてさて、本日の更新は、はちの月企画ですv一話完結なので、ごゆるりとどうぞv↓↓



【はちの月企画 一日一短編】

『空色のかばん』


「お弁当屋さんにもらったんです。」

喜々として、かぼちゃの煮物を皿に盛り付けていくしろ。
黒蝶堂の夕飯には、必ず一品向かいの弁当屋のメニューが加わる。
それらはすべて店主の手作りである。
弁当の余りだと言って、毎日やってきては黒蝶堂に置いて行くのだ。

「お世話になりっぱなしで、本当に申し訳ないですね。」

しろはうーんと腕を組み、暫くの後

「これです!」

ぴこん!と音が鳴るほどに、顔を跳ね上げた。



次の日の昼下がり。

「…何をやってんだお前は。」

はちは2階のしろの部屋に居た。
ごそごそがたがたと騒がしい音が1階まで届き、何事かと思って様子を見に来たところだ。

「はち知りません?」

「何が。」

はちはぶっきらぼうに答える。機嫌が悪いのではなく、これが彼の地だ。

「僕らが小学生の頃、修学旅行で使った鞄ですよ。あの『空色のかばん』です。」

「あー、どこに仕舞ったかね。」

しろが調べている襖を覗き込む。ここは彼専用のスペースだ。
がらくたと不必要なものと、用途不明の物と、それから必要な日用雑貨が少し。

まったく、こいつは何をため込んでいるんだ、とはちはげんなりする。

「もう、あんまり見ないでください!」

しろは無理やり襖からはちを引き剥がすと、再びそのがらくた置き場に顔を突っ込んだ。
溜息をついたはちは、その場に座り込み、ふっと湧いた疑問を問う。

「今更あんなもん、何に使うんだ?旅行にでも行くのか?」

「違いますよ。僕ら、向かいのお弁当屋さんにお世話になりっぱなしじゃないですか。」

顔を突っ込んだまま、しろは声を返してくる。

「そうだな。」

はちはあくびを一つ。昼のこの時間帯は、どうも眠たくて仕方がない。

「だから、何か恩返しがしたいと思って、探してるんです。」

「だから、その経緯を詳しく説明しろっての。」

「違いますよ。僕ら、向かいのお弁当屋さんにお世話にな」

「そこはもう聞いた。」

こいつと話していると本当に疲れる。はちは息を吐く。
しろは片側の襖を閉めると、反対側の戸を開き、荷物を漁り始める。

「お弁当屋さんに娘さんがいらっしゃるじゃないですか。」

「そうなのか?つーか、あの人結婚してるのか?」

初耳だ。
店主の女性は、若々しいと言うよりは娘のようで、むしろ年下と言われても納得できそうな容姿であるからだ。
交流と言えば、朝方に挨拶したり、回覧板を回したりする程度。

一方のしろは、夕方になると黒蝶堂向かいのアーケードで彼女と世間話をしているから、
いろいろと詳しいのだろう。

「えぇ、その娘さんが今度、学校行事で泊りがけのキャンプに行くらしいんですよ。
でも、その時に使う鞄が無いそうで。よかったらうちのを使ってもらおうと思いまして…」


「あぁ、なるほど。お前も、た ま に は いい事考えるじゃねぇか。」

はちの強調虚しく、ナイスアイデアでしょう!と、胸を張るしろ。
はちは立ち上がり、しろの背後に立つ。白い髪を眼下に、押入れの上段を覗き込む。
すると押入れの奥。見覚えのある水色の側面が見えた。

「おい、あったぞ。」

「本当ですか!やりましたね!」

そう言うしろはその場でぴょんと跳ね、後頭部をはちの顎で強打した。
…悶絶したのは、はちの方だった。
唇を切ったはちを押しのけ、しろはかばんに手を伸ばす。
押入れを上下に分ける板に足を掛け、「せぇのっ」と勢いをつける。

手を伸ばす。ギリギリの位置で鞄の手提げ紐に指がかかった。
それを引っ張り出す。

と、もともとガタがきていた足場が、しろの重みでバキリと割れた。
彼の体は、畳の上で唇を拭っていたはちの上に投げ出され…

「あら?」

はちの茶色い髪が、目の前に見える。つむじ辺りの髪の毛が、ふわふわと揺れている。

しろの下敷きとなったはちは、

「『青色のお荷物』は、オレにはちょっと重たすぎる、な…。」

と言うと、がっくりと意識を失った。

『空色のかばん』を手に入れたしろは、自分が荷物と称された事に怒るわけでもなく

「うまいうまい!」と、嬉しそうに手を叩いた。

【終】

お弁当屋さんの詳細は、また後日に描ければ描きますb

短編がんばるぞ!ってことで、ランキングですv
気が向いたら、おしてやってください。



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秋雨

Author:秋雨
人間と憑者のライトホラー物語。

現実世界その他諸々の事象とは、一切関係ありません。著作権は放棄していません。なにかありましたら拍手からお願いします。

【管理人】

秋雨。成人済。

【主な登場者紹介】

黒川 はち

古書店黒蝶堂堂長。
気苦労の絶えない受難者。

氷山 しろ

黒蝶堂副長。
電波的言動の目立つ青年。

ゆり

黒蝶堂憑者。
冷静沈着な少女。

深見ヶ原 牡丹

深見ヶ原墓地憑者。
猪突猛進イノシシ娘。

カコ

川辺の憑者。
人間嫌いで鬼桐の部下。

鬼桐

煙草が手放せない隊長。
熱くなると誰にも止められない。

黒川 伊織

はちの祖父で先代堂長。
3年前に他界。

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