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『白い砂浜』

(前略)気分が安定しない日は読書をして、気分を落ち着けるのが一番!(後略)

私には、こいつらの面倒を見る義務があるからな。

あとはそぉぉ(^o^三^o^)ぉぉんを鑑賞。

これ見れば、すべて吹っ飛びます。大丈夫だ、問題無い。


更に、新しくリンク様を迎えましたやっほい!
また後日、改めて紹介させていただきやすv


↓↓さて、本日の更新はこちらです↓↓なぜか新キャラ登場。一話完結です↓↓

【はちの月企画 一日一短編】

『白い砂浜』


「水鳥さんは、寒くないのですかね。」

遥光の街、西の果て。
当街有数の観光地、天守閣に、二の丸広場を内包する府月城。
その巨大な府月城が誇る、立派な外堀の傍。

水際を沿いながら散歩をするしろの目に、白地に淡い青色の差し色が入った一羽の白鷺が映る。

道路側の彼。隣を歩くは少女ゆり。
こちらの方面に用事があると言い、食後の散歩をするしろと連れ立っている。
彼女は目立つ。脇に抱えた分厚い本に厚底の靴、大きなリボンを身にまとっているからだ。
だが、振り返る人間の内の半数は、見るも見事な白髪を持つ、若い男に視線を奪われていた。

両者は、その視線に構うことなく歩みを進めていく。

堀側を歩くゆりは、しろの言葉にふっと目を向け鷺を捕捉した。
吐く息は白く、冬の足音聞こえるこの季節。

冷水に足を浸ける生物を見、とても寒そうねと他人事に一言放つ。

しろは続ける。

「彼は靴下も履いてませんし、マフラーも巻いてません。」

見てる僕の方が、鳥肌が立っちゃいますよと、昼の北風に、ぶるりと体を震わせる。

「獲物を狙っているのかもしれないわ。」

鷺は微動だにしない。

「己の欲求を満たすためには犠牲が必要なのよ。」

「犠牲?」

しろは不穏な単語に首を傾げる。ゆりは本を左手に持ち替え、しろを見上げた。

「この場合、彼の寒いと感じる神経と、しろに鳥肌を立たせている事実が指摘できるわ。」

そっぽも向かない鷺に負けず劣らず、少女の表情筋は、括約するが活躍しない。

一方のしろは表情豊かで、申し訳なさそうに眉を下げる。

「でもそれは、僕が勝手に思ってるだけです。彼が実は、向かいの青い海が美しい『白い砂浜』に移住したいと思ってるかもしれませんし。」

「思うは自由よ。だって、行動主にも責任はあるから。」

ゆりは続ける。

「行動主が『そんなつもりは無かった』としても、相手側の受け取り方は、あさっての方向を向く事だってある。都合悪く、誤解が誤解を呼んで、不都合や不仲に繋がる可能性もあるわ。」

しろは立て板に水の様なゆりの論展開に理解が追いつかず、はて、と足を止めた。
ゆりも同様、歩行を停止する。次に、堀沿いに設けられた柵に手を載せた。

「簡単に言うと、昨夜の事よ。あなたが良かれと思って牛乳に氷を入れたら、はちが文句を言ったでしょう?」

「あ!確かにあの時は怒られましたね。『食べ物への冒涜だ!』とかなんとか言われましたが、はちが何と言おうと、僕はアレが好きなんですよ。」

納得したしろを見、ゆりの口角がつり上がる。

「それと同じよ。」

「なるほど!」

しろはぽんと手を叩き、続けざま、普段のように人差し指を付き立てる。

「つまり、冷やし牛乳の行為が非難されるあまり、本来重要であるおいしさに言及されないという事ですね!」

ゆりは白い彼を相手に目を見開く。そして一言。

「…論点がずれたわ。」

「な、なんですって!」

しろは指折り、自らの思考段階を順繰り巡って行く。それも最後まで行き着いたのか、どこで間違えたんでしょう、と小さく呟いている。
そんな彼を前に、分かりやすい例を掲示したと信じて疑わなかったゆりは思う。

――人の中には、面と向かってはっきり言わないと、伝わらない子も居るのだ、と。



ところ変わって、府月城の天守閣。
紫色の下げ緒が結ばれた双眼鏡を片手に、眼下の遥光の街を見下ろす一つの影があった。

「ゆりはまた小難しいことを言っているようだのう。」

その視線は少女から、白い彼に移った。紫色の瞳が、きらりと輝く中での出来事。

「おもしろそうな奴が、やって来たでござるな。」

彼は月紋の入る着物を翻し、不敵な笑みを浮かべた。

【終】

府月城は遥光西の端に位置するでかいお城です。
牛乳に氷はなかなかおいしいですよ。


短編がんばるぞ!ってことで、ランキングですv
気が向いたら、おしてやってください。



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秋雨

Author:秋雨
人間と憑者のライトホラー物語。

現実世界その他諸々の事象とは、一切関係ありません。著作権は放棄していません。なにかありましたら拍手からお願いします。

【管理人】

秋雨。成人済。

【主な登場者紹介】

黒川 はち

古書店黒蝶堂堂長。
気苦労の絶えない受難者。

氷山 しろ

黒蝶堂副長。
電波的言動の目立つ青年。

ゆり

黒蝶堂憑者。
冷静沈着な少女。

深見ヶ原 牡丹

深見ヶ原墓地憑者。
猪突猛進イノシシ娘。

カコ

川辺の憑者。
人間嫌いで鬼桐の部下。

鬼桐

煙草が手放せない隊長。
熱くなると誰にも止められない。

黒川 伊織

はちの祖父で先代堂長。
3年前に他界。

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