『淡い白雪』

泥棒の黒澤さんに惚れる。「だから?」って言っても許される人だと思う。
わかった方は、お友達ですね!

ラストスパート!ってことで短編更新です♪
↓↓いつも以上に内容が無いよ!それでもよければまたーりどぞ↓↓


【はちの月企画 一日一短編】

『淡い白雪』


「透き通る乳白色に、世の女性が嫉妬するほどのキメの細かさ。まるで『淡い白雪』のようではないですか!」

夕食後。黒川はちがニュースを見ていた頃。
氷山しろが、軽やかな足取りと共に鼻歌を歌いながら現れた。

ごろりと横になり、うつらうつら。
夢の世界に片足をつっこみかけていたはちは、その気配に、一瞬にして現実に引き戻された。
左隣に腰を下ろしたしろを、不機嫌そうに睨みつけるが、効果は無い。
上体を起こし、後頭部を掻く。あくびを一つ。

右目を人差し指で拭うと、しろの様相が視界に入った。
彼はうつむき、肩を震わせていた。

「おい、どうした?」

具合でも悪いのか、と続ければ、しろはすくっと立ち上がる。
手には銀色に輝くスプーン。
机上には青いパッケージの…

「この時のために生きてると言っても、過言ではないですね!」

はちの現場検証の途中、その思考を遮る声が脇から発せられ、はちは眉根を寄せる。
が、その感情が白い彼に届く事は無い。
はちは溜息一つ。

「風呂上りにアイスとは、贅沢な暮らしだな。」

「まったくですね!」

よく見れば、しろはタオルを肩に乗せ、髪も乾かしていない。
髪が室温で乾いていく事も厭わず、二口目を口内に放っている。

「よくもまぁ、あれだけ飯を食ったくせに、まだ食えるとはな…胃袋どうなってんだ?」

「まったくですねー。」

はちは、隙を見て冷菓の容器に手を伸ばした。
と言っても、横取りして食べようというつもりではない。
何が白い彼をここまで夢中にしているのか、もしや中毒性の高い成分が含まれているのでは?

と考えたからである。

だが、その疑問は解決されなかった。

気付いた時には、手の甲にスプーンが刺さっていた。



悶絶するはちの隣で、もくもくと口に白い物体を運ぶしろ。
はちは痛覚に生理的な涙を浮かべながら、傷口を押さえる。
絆創膏を探して貼り付けると、アイスの彼から少々離れた位置に座る。

「調子に乗って食い散らかしてると、体も白くなるぞ。」

「…まったくですね。」

しろは落ち着きなく手を動かしている。
そして、ちらちらとはちの様子を窺っている。

盗らねぇっての、とはちは口の端を引き攣らせる。

「…太っても知らねぇぞ。」

はちの諦めが籠った言葉に、しろは動きを止め、アイスを机に置いた。

「はち。」

「な、なんだよ。」

真面目な顔。翡翠色の目がはちを捉える。
少々の間。

はちが目を逸らせないでいると、その目が、にこりと笑った。

「好物を我慢する位なら、舌を切った方がましです。ね、ゆりちゃん?」

「まったくね。」

いつの間にか、背後を少女に取られていた。
頭上より降って来た言葉に、はちはビクリと反応する。

「てめぇ!少しはまともな登場ができねぇのか!」

しかしやはりここでも、はちの言葉は拾われないまま地に落ちていく。

「甘い物は別腹よ。」

絶対不変の定理を手に入れた、と言わんばかりの口調で言い放つ少女は、板チョコレートをぱきりと前歯で割った。

結託した彼らを前に、はちは顔を左右に振る。
まるで、不治の病を患者に宣告する医者のように。

「お前ら、虫歯になっても面倒みねぇからな。」

【終】

おちなんてないよ!読んでくださってありがとうございます♪

短編がんばるぞ!ってことで、ランキングですv
気が向いたら、おしてやってください。



fc2ブログで当ブログは何位でしょうか…

にほんブログ村 小説ブログへ
にほんブログ村

ブログランキング!

拍手・感想・苦情等は以下のアイコンよりどうぞ!
拍手だけでも大歓迎です。
お返事は随時させてもらってますv

スポンサーサイト

テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

説明

秋雨

Author:秋雨
人間と憑者のライトホラー物語。

現実世界その他諸々の事象とは、一切関係ありません。著作権は放棄していません。なにかありましたら拍手からお願いします。

【管理人】

秋雨。成人済。

【主な登場者紹介】

黒川 はち

古書店黒蝶堂堂長。
気苦労の絶えない受難者。

氷山 しろ

黒蝶堂副長。
電波的言動の目立つ青年。

ゆり

黒蝶堂憑者。
冷静沈着な少女。

深見ヶ原 牡丹

深見ヶ原墓地憑者。
猪突猛進イノシシ娘。

カコ

川辺の憑者。
人間嫌いで鬼桐の部下。

鬼桐

煙草が手放せない隊長。
熱くなると誰にも止められない。

黒川 伊織

はちの祖父で先代堂長。
3年前に他界。

メニュー
twitter
    更新情報配信中