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【小話】持ち帰りの怪【更新】

「本は、お持ち帰りされますか?」

氷山しろはレジスターを弾いた。しばし待つ。答えは返ってこない。夜道にうずくまる妖怪に声をかけてしまったような客の表情にかち合い、まさかと、ある可能性に思い至る。背後を振り返る。が、思い違いに気がついた彼は、光の反射する水面のような、まばゆい笑顔を浮かべて問いかけた。

「温めますか?それとも、冷やしますか?」


氷山しろは、手元の書物を書棚にしまいこむ。その途中、先住の背表紙に細い指を乗せる。

「逆ですね。頭に血がのぼっちゃいます。」

「・・・関係ねぇだろ、内容にも中身にも。」

ちょうど帰ってきた黒川はちは、堂内にて独り言に興じる同居人に相づちを打った。

「・・・お前以上に変わったことは、特になかっただろ?」

堂長の言葉に、

「中身は変わらないのに、気が変わったようでした。」

どうしてですかねと、しろは腕を組んで首を傾けた。

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テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

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説明

秋雨

Author:秋雨
人間と憑者のライトホラー物語。

現実世界その他諸々の事象とは、一切関係ありません。著作権は放棄していません。なにかありましたら拍手からお願いします。

【管理人】

秋雨。成人済。

【主な登場者紹介】

黒川 はち

古書店黒蝶堂堂長。
気苦労の絶えない受難者。

氷山 しろ

黒蝶堂副長。
電波的言動の目立つ青年。

ゆり

黒蝶堂憑者。
冷静沈着な少女。

深見ヶ原 牡丹

深見ヶ原墓地憑者。
猪突猛進イノシシ娘。

カコ

川辺の憑者。
人間嫌いで鬼桐の部下。

鬼桐

煙草が手放せない隊長。
熱くなると誰にも止められない。

黒川 伊織

はちの祖父で先代堂長。
3年前に他界。

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