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【小話】焦茶中毒【更新】

本棚の上で、少女は板チョコレートをかじった。食べ進めるにつれ、銀色の包み紙が次々と宙に放られる。地上へ到達するまでの滞空時間の合間に折り畳まれたそれは、ゴミ箱にゆっくりと積み重なっていく。

箱より溢れそうになっているチョコレートの包みを見たしろは、

「やめられないことを、「中毒性がある」と言うんですよね?」

体調は大丈夫なんでしょうかと、彼女を気遣った。
すると、当の少女は、甘味から手を離すことなく、書棚の上にて言葉を継いだ。

「貴方達も、黒川はち中毒かつ氷山しろ中毒であり続けているでしょう。」

「・・・んな症状なんざ、聞いたことがねぇよ。」

肩をすくめたのは堂長席のはちである。
彼は壁のカレンダーを見やり、最近の出来事を順々に思い返し始めた。

数分後、彼はぼそりと

「・・・オレたちは、まさしく見事かつ立派に、”日常中毒”ってわけか。」

日頃の、理解し難い事象の連発を振り返って、ため息を吐いた。すると、横から湯のみが差し出された。

緑と紫の入り交じった細長い草の束を添えたしろは「これで毒性が弱まりますよ」と、あっけらかんと言い放った。

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テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

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説明

秋雨

Author:秋雨
人間と憑者のライトホラー物語。

現実世界その他諸々の事象とは、一切関係ありません。著作権は放棄していません。なにかありましたら拍手からお願いします。

【管理人】

秋雨。成人済。

【主な登場者紹介】

黒川 はち

古書店黒蝶堂堂長。
気苦労の絶えない受難者。

氷山 しろ

黒蝶堂副長。
電波的言動の目立つ青年。

ゆり

黒蝶堂憑者。
冷静沈着な少女。

深見ヶ原 牡丹

深見ヶ原墓地憑者。
猪突猛進イノシシ娘。

カコ

川辺の憑者。
人間嫌いで鬼桐の部下。

鬼桐

煙草が手放せない隊長。
熱くなると誰にも止められない。

黒川 伊織

はちの祖父で先代堂長。
3年前に他界。

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