【小話】白い隔たり【更新】

夏場の黒蝶堂、昼間は特に蒸し暑い。
客人は居ない。注文事もきりがついた。堂長・黒川はちと同居人・氷山しろは、後者による現実と妄想のない交ぜになった物語りに、前者が淡々と相づちを打つスタンスで空気と時間を埋めている。

「・・・お前の話は、行間が広すぎる。」

話し始めて数十分後、ついにはちが、飛躍に飛躍を重ねる彼の話に苦言を呈した。すると、書棚の書物を点検していたしろは地を蹴り、堂長席に詰め寄った。勢いよく机に手を突いた音に目を丸くする堂長をよそに、しろは人差し指を堂長の鼻先に指して見せる。

彼は「ならば」と前置きをして目を細める。

「飛び越えて、近くに来て下さい。」

朗らかに笑い首を傾ける彼に、はちはため息を吐くことしかできなかった。

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テーマ : 物書きのひとりごと
ジャンル : 小説・文学

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秋雨

Author:秋雨
人間と憑者のライトホラー物語。

現実世界その他諸々の事象とは、一切関係ありません。著作権は放棄していません。なにかありましたら拍手からお願いします。

【管理人】

秋雨。成人済。

【主な登場者紹介】

黒川 はち

古書店黒蝶堂堂長。
気苦労の絶えない受難者。

氷山 しろ

黒蝶堂副長。
電波的言動の目立つ青年。

ゆり

黒蝶堂憑者。
冷静沈着な少女。

深見ヶ原 牡丹

深見ヶ原墓地憑者。
猪突猛進イノシシ娘。

カコ

川辺の憑者。
人間嫌いで鬼桐の部下。

鬼桐

煙草が手放せない隊長。
熱くなると誰にも止められない。

黒川 伊織

はちの祖父で先代堂長。
3年前に他界。

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