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【小話】藍色ホール【更新】

見えないんですか?

…一体、どこがだ?

1時間前を最後に、客人の姿は確認出来ていない。堂長席で口元を手の甲でぬぐった主は、ぐらぐらと揺れる思考を支えるために頬杖をつき、深いため息を吐いた。席の前に立つ、お盆を胸にニコニコと笑みを浮かべる白い男をぼんやり眺める。すると彼は左足を前方に伸ばし、人差し指で床を軽やかに叩くような仕草をした。視線を追わせれば、しろは、違いますよと目を細めた。

穴が空いてますよ、ほら。

声に促され、あぁ自分のことかと椅子を引く。膝から下を、足を裏に表に向きを変え確認する。異常は無い。上着を引っ張り向こう側の世界を透かす。立ち上がり、体を捻る。やはり、異常は無い。

後で修繕しておきますから。

しろは人差し指を立てると、にっと笑って脇を通り過ぎて行った。一体、どこに空いてるって言うんだ。

【了】

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テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

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説明

秋雨

Author:秋雨
人間と憑者のライトホラー物語。

現実世界その他諸々の事象とは、一切関係ありません。著作権は放棄していません。なにかありましたら拍手からお願いします。

【管理人】

秋雨。成人済。

【主な登場者紹介】

黒川 はち

古書店黒蝶堂堂長。
気苦労の絶えない受難者。

氷山 しろ

黒蝶堂副長。
電波的言動の目立つ青年。

ゆり

黒蝶堂憑者。
冷静沈着な少女。

深見ヶ原 牡丹

深見ヶ原墓地憑者。
猪突猛進イノシシ娘。

カコ

川辺の憑者。
人間嫌いで鬼桐の部下。

鬼桐

煙草が手放せない隊長。
熱くなると誰にも止められない。

黒川 伊織

はちの祖父で先代堂長。
3年前に他界。

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